2017年8月21日月曜日

おめでたいことと千葉詩亭。

8月19日、千葉詩亭でいつもお世話になっているTREASURE RIVER BOOK CAFEのオーナー、宝川さんの結婚式二次会に参加。たいへん素敵なパーティーで、宝川さんご夫妻の人徳と人望をあらためて感じる。ビンゴゲームではファブリックアーティストの森川エリーさん作のかわいいぬいぐるみを頂いた。「キメラ猫」とのこと。


明けて20日。マスコットがわりにキメラ猫をバッグに詰めてまたTREASURE RIVER BOOK CAFEへ。千葉詩亭・第四十七回、ゲストはカワグチタケシさん。実は地元・佐倉市出身である。現在は都内在住で、京葉線に乗っていらっしゃった。


なんだかファンシーな風船などが目につくが、これは19日の結婚式二次会の名残り。

カワグチさんの朗読は、鬼面人を驚かす、というようなことが一切なく、また技術を見せつけるような名人芸で一瞬のウケをさらう、というようなこともない。その朗読は丁寧かつ真摯そのもので、紡がれる詩の言葉は、無用な自意識なしに世界と向き合う時にのみ生まれる深みと重みで満ちている。流れる水のように静かに、そして力強く会場を魅了する30分間。

オープンマイク参加は、

OOMさん
佐々木漣さん
廣川ちあきさん
もりひろしさん
川方祥大さん

という皆様。地に足の着いた、それでいながら楽しいパフォーマンスが続いた。今回は地元・千葉からのお客様が多く、千葉人にしかわからない具体的な地名が作品の中を飛び交う場面も散見され、これまでの千葉詩亭の中でも「千葉のオープンマイク」テイストが強かったように思う。

オープニングは山口勲がネオミ・シーハブ・ナイの『A4搭乗口』を、ラストは私が『大島健夫自伝』をそれぞれ朗読した。お食事メニューは冷やし中華とチキンサグカレー・・・であったが、カレーは開場後一瞬で売り切れてしまい、スタミナ丼に横滑りした。私は冷やし中華を頂いたが、例によって美味でした。

次回の千葉詩亭、「第四十八回」は10月15日(日)の開催だ。

いつもありがとうございます。初めての方もいつもの方も、心からお待ちしております。





2017年8月9日水曜日

詩と旅

8月3日に千葉にやってきたデンマーク・ポエトリースラム王者Emil Nygardと、大学で生物学を学んでいるという友人Robin Huzell。我が家を皮切りに、仏教寺院、森の中の山小屋等色々なところに宿泊させつつ4日間、一緒に車で千葉を旅した。山に登り、伝統的な谷津田を歩き、中世城郭を見学するなどゆるゆると動き回っていた。

二人とも旅慣れており、常に主体的に動くが、かと言って思いやりに欠けるわけでもなく、明るくて闊達だがうるさいわけでもなく、政治から歴史に至るまで繰り出す質問も常にシャープで、一緒に旅をするには最高の人間性の持ち主だった。気心の知れたEmilは当然ながら、生物学を学ぶRobinともすっかり仲良くなった。寺院に泊まっている際には、外からウシガエルの声が聴こえたのをきっかけに、日本と欧州の外来生物を巡る諸問題について長時間話し合ったりもした。

異邦人とともに旅をすると、普段自分が見慣れた房総の事物も、また違った趣をもって目の前に現れる。おまけにずっと英語で喋っているので、なんとなく自分も海外にいるように気分になってくる。その間、いろいろなバックボーンを持つ私の知人たちと会っているが、EmilもRobinも常に誰とでも良好な関係を築いていた。もっとも、彼らのこれまでの四半世紀ほどの人生でたどった道のり、そしてその上で彼ら二人がどのようなことを重視して生きているかということを聞くにつけ、それも当然という気はした。

そして7日(月)は渋谷でポエトリーリーディングオープンマイクSPIRIT。Emilは金子みすずの『私と小鳥と鈴と』の日本語での朗読から始まり、英語とデンマーク語を駆使してその実力をきっちり示してみせた。いま、日本でポエトリー・スラム・ジャパンに出てくる人たちは、おそらく「パリに行きたい」とは思っていても、実際にパリでどんな人と戦うのかということについては、多分何も考えていない人が多いと思う。Emilの、フラットでありながらインサイトの深い視点、言語の異なる観客相手でも決して飽きさせないパフォーマンス能力は見ていて惚れ惚れする。フランスやイスラエルで見てきた彼の朗読を、渋谷のSPIRITでこうして見ることができたのは本当に嬉しくて感慨深いことだった。

この日は台風が接近中で、開場前には激しい雨も降った。それでも多くの方がいらっしゃって下さった。心から感謝したい。人生には様々なことが起こる。大きいことから小さいことまで、辛いこと、悲しいこと、苦しいこと、寂しいことの全てがそこにはある。あるいはまた、嬉しいこと、幸せなこともある。そしてそうした事象を前に自分自身と対話し、もう一度向かい合う時、詩は常にそこにある。

詩は最高だ。

EmilとRobinは富士山に向けて出発した。彼らがいなくなったら、夫婦ふたりだけの家は、こんなに狭いのになんだかがらんとしている。また今日から、新しい旅が始まる。


2017年8月2日水曜日

世界から千葉へ

さて、前回までの日記にさんざん名前が出てきているデンマークのポエトリー・スラム王者Emil Nygardとその友人Robin。明日からしばらく千葉に滞在するのである。そしてEmilは7日には渋谷でポエトリーリーディングオープンマイクSPIRITにゲスト出演する。乞うご期待である。

彼とは昨年5月にパリでのポエトリー・スラムW杯で出会った。ノリの軽い明るいお兄さんだが、ステージに上がってもやはりノリが軽く明るく、しかしそのリーディングの「自意識を押しつけずに、テキストとパフォーマンスでしっかりとお客さんに伝わる度」はたいしたもので、事実あの時、テキストを手に持っての朗読をしながら決勝ラウンドに進出したのは彼だけだったはずだ。その後、年末にIsrael Slamstivalで再会し、W杯の上位進出者だけがブッキングされている中、テルアビブ・ラウンドで優勝したのは彼だった。

世界中を旅しているEmilとRobinと一緒に私のふるさと房総半島をうろうろして、どんな風景が見えるのか私自身楽しみである。そして皆様、是非、8月7日(月)の夜は渋谷RUBY ROOMに彼のパフォーマンスを体験しにいらっしゃってください。

☆☆☆

POETRY READING OPEN MIC
SPIRIT

2017年8月7日(月)
会場:渋谷 RUBY ROOM

開場 19:30
開演 20:00
入場料 2000円(2ドリンク付)

▽主宰・出演
大島健夫/URAOCB

▽スペシャルゲスト
Emil Nygard

※オープンマイクは当日先着16名まで1名あたり制限時間5分、それ以降制限時間4分。22時40分に到達した時点でオープンマイク時間終了




2017年7月31日月曜日

怒涛の二日間

7月29日の朝、ドイツのポエトリースラマー、Klaus Urban夫妻をホテルに迎えに行く。

Klausはサンタクロースのような感じの穏やかで落ち着いた人で、年齢は60歳ぐらいに見えたが、なんとびっくり73歳だという。奥様のVerenaさんもチャーミングな方だ。

今回の旅行で色んな国を回っているらしく、日本に来る前はニュージーランドやオーストラリアにいたらしい。現地のスラムで入賞してしまい、12月の決勝大会に出なきゃいけないのだが一体どうしよう、なんて笑っておられた。

まずは東京案内をさせて頂くことになっていたのだが、いくつかの場所を提示した中でKlaus夫妻が選んだのは上野。国立博物館(Klausは70歳以上なので、タダ!)では様々な展示を食い入るように眺め、どんどん質問してくる。シャープで知的好奇心が旺盛だ。それに元気であるが、真冬のオーストラリアから暑い東京への移動はやはり少しはこたえているらしい。一緒に食事をした後、夜のPoetry Laboの前にいったんシャワーを浴びたりしたいということで、またホテルまで送る。Poetry Laboの会場の西荻窪にはタクシーで行くということで、Aloho Loco Cafeの住所を書いたメモを渡す。

私は先に西荻窪に移動。この頃に大雨が降り始める。Klausに「雨が降るだろうか」と尋ねられ、「あー大丈夫大丈夫、多分降らないから」とテキトーに言ってしまったことを思い出して少し申し訳なく思う。こうやって国際的に信用をなくしていくのかもしれない。

この日のPoetry Laboには、やはり滞日中で、8月7日はSPIRITに出演してもらうことになっているデンマークのポエトリースラム王者Emil Nygardとその友人Robinも来ることになっていた。17時に西荻窪駅で待ち合わせ予定だったのだが、なかなか現れない。こちらには事前に、自分で言うのも何だが懇切丁寧な地下鉄の乗換案内を送っていたはずだ。どうしたかなと思っていると二本ばかり遅い電車で現れた。なんだか興奮しながら「タケオ!今日俺たちに起こったことを話してもあなたきっと信じないよ」とまくしたてる。なんと電車の中で出会ったおばさんになぜか荻窪の教会に連れて行かれていかれるという奇妙な事件のせいで遅れたらしい。大笑いしてしまったが、旅をしているとこういう変てこなアクシデントはたまに起こるものだ。私は昨年末にイスラエルのスラムに出た時、ホームステイ先でシャワーを浴びていたら浴室のドアノブが外れて閉じ込められ、30分もかけて櫛と爪楊枝で鍵をこじ開けて脱出するはめになった。

友人Robinに「君も詩人なの?」と聞くと、そうではなくてEmilの幼馴染で、いつも一緒に旅をしている仲だという。西荻窪の狭い通りを歩いていると、「ここは観光客もいないし、普通の人が普通の生活をしているっていう感じがしてとても好きだなあ」なんて言う。風景が少し新鮮に感じる。開演時間が迫る頃、Klaus夫妻も到着。

Klaus夫妻のパフォーマンスはさすがの重みと技術とオーラがあり、ずっしりみっしりとしていた。彼の詩を一篇翻訳させてもらい、会場でもテキストを配ったが、人生で詩の翻訳なんてするのは初めてで、とても新鮮でいい経験になった。もっとも、おなじみのジョーダン・スミスさんに監修して頂けなかったらもっと怪しげな訳になっていたはずだ。感謝。

夜中の1時に帰宅し、2時就寝。30日は5時過ぎに起きて、今度は私が稽古している日本空手道常心門の全国大会の係員任務。一日中「赤、○○選手・・・」とか「ただいまの得点・・・」などとコールして過ごす。大会にかける選手の心と、大会を運営する側が注ぐエネルギー、そして今回の大会に込められた意味というものを思えば、そこには言葉にできない様々なものが息づいており、あっという間に時間が経っていく。

猛烈な眠気が押し寄せてきたのは夜、帰宅した後だった。泥のように眠り、目覚めるとKlausから長文の丁寧なメールが届いていた。人の縁というのはいいものだなと思った。

2017年7月28日金曜日

Klaus Urban日本公演

4月に一通の英文のメールが舞い込んできた。

「私はドイツのポエトリースラマーであるところのKlaus Urbanという者である。貴君のことは○○から伺った。実は私はこの夏に日本に短期間滞在するのであるが、そこにおいてポエトリーのパフォーマンスができる場所を探しているのである。貴君のお力をもって何処かをあつらえて頂くわけにはいくまいか」

というような、何だかこれまで詩人のメールでは見たこともないような丁寧かつ格調高い文章であった。さらに、おそらく自分はドイツのポエトリースラム界においても最年配者の一人である旨が記してあり、国内選手権における実績一覧表までが添付されていた。ちなみに私の名前を彼ら教えたらしい○○、というのは、2015年にベルギーのモンスで開催された『SLAMons&Friends2015』に三角みづ紀、橘上の両氏とともに出場した際にドイツチームの代表としてやってきていたうちの一人である。その時、ドイツチームは我々日本チームのことをとても誉めてくれており、けっこう仲良くしていた。

Klaus氏には本当はSPIRITにゲスト出演して頂きたかったのだが、あいにくと氏の滞日期間はSPIRITの開催時期とずれている上、その直近のSPIRITにはデンマークのスラムチャンピオン、Emil Nygardの出演が既に決まっていたので、胎動でしばしばお世話になっているikomaさんに相談したところ、ありがたいことに快く7月29日の胎動Poetry Labo0.vol.8にKlaus氏を出演させて頂けることになった。つまり、明日である。


そんなわけで明日の18時開場18時30分開演、西荻窪のALOHA LOCO CAFEにて、Klaus Urban渾身の日本公演が開催される運びとなりました。他にも多士済々のアーティストが出演します。どうぞ皆様是非お見届けにいらしてくださいませ。



2017年7月27日木曜日

虫と出会う

野外で遭遇した虫の写真を撮る時、いつも心に留めていることがある。それは、「ほとんどの場合、二度と再びこの同じ虫に出会うことはない」ということだ。

虫の命は短い。

あるものは羽化してから一週間か十日で死ぬ。また寿命の長い種でも、成虫になってから二年、三年と生きるものはとても少ない。

そのわずかな日々の中で、私は彼らと出会う。ある時は調査の途中で、ある時は自然教室や観察会の中で、ある時はただの通りすがりに。

私のカメラに、あるいはUSBメモリに保存されている、この10年ほどの間に私が撮影した虫たちは、おそらく99パーセントまでがもはやこの世のものではない。程度の差こそあれ、虫だけでなく、両生類も爬虫類も鳥類も哺乳類も、その他の様々な動物たちも、それは同じことだ。


今日の午後に遭遇した光景。交尾するミヤマクワガタと、その真上に座っているシュレーゲルアオガエル。彼らともきっと、もう二度と出会うことない。

今、彼らは何をしているのだろう。

明日、彼らはどこにいるのだろう。

2017年7月22日土曜日

千葉詩亭・第四十七回

会いたい人には今、会いに行こう。

話したいことは今、話そう。

伝えたいことは今、伝えよう。

最近よくそんなことを思う。

☆☆☆

千葉詩亭は偶数月の第三日曜に中央区登戸のTREASURE RIVER BOOK CAFEで山口勲と大島健夫が共同で開催するポエトリーリーディングオープンマイク・・・なのだが、最初は別に偶数月の開催ではなく、また第三日曜でもなく、会場もTREASURE RIVER BOOK CAFEではなく、山口勲はイダヅカマコトと名乗っていた。そんなこんなで8月20日に四十七回目を迎える。ゲストはカワグチタケシさん。20世紀からずっとポエトリーリーディングの舞台で活動を続けてきた先輩であるのはもちろんだけれど、実は地元・千葉県のご出身でもある。しかもなんと千葉でのライヴは初めてであるとのこと。見逃すことのできない大切な30分間。是非、体験しにいらっしゃって下さい。

☆☆☆

千葉詩亭・第四十七回

2017年8月20日(日)
会場:TREASURE RIVER BOOK CAFE
千葉市中央区登戸1-11-18 潮第2ビル102

※JR千葉駅より徒歩10分。千葉駅東口からそごうの横を通ってモノレール沿いに進み、モノレールが左に曲がってすぐの信号を右に入り、200メートルほど進んだ道沿い左側です。

開場 17:30
開演 18:00

入場料1000円(1ドリンク付) または 2000円(1ドリンクとお食事付)

千葉詩亭はオープンマイクのイベントです。ご来場の皆様は、当日希望すればどなたでもマイクの前に立つことができます。詩の朗読に限らず、持ち時間5分で、歌・漫才・演説・愛の告白・懺悔など、「言葉」であれば何でもOKです。いや、むしろ言葉によらない身体表現や音楽、即興絵画なども、法令及び公序良俗に違反しない限り、また他のお客様の迷惑になることでない限り何でも歓迎いたします。もちろん、オープンマイクに参加なさらない、純粋な観客としてのご来場も大歓迎です!

▽主催
山口勲/大島健夫

スペシャルゲスト・カワグチタケシ


詩人。
1965年千葉県佐倉市生まれ。1980年代前半より詩作を始め、各地でポエトリーリーディングを行う。1998年よりインディーズ出版社プリシラレーベルを主宰し、朗読CD制作、書籍出版、ライブイベントを開催。詩集「都市計画/楽園」「ユニバーサル・ボードウォーク」「新しい市街地」「ultramarine」他。

☆☆☆

読みたい方も聴きたい方も。いつも来てくださる方も初めましての方も。地元の方も遠方の方も。どうぞお気軽にお出でください。TREASURE RIVER BOOK CAFEの美味しい飲み物とお食事とともに、心よりお待ち申し上げております。